パンを作る際の作業の順番(工程)は基本的には
仕込み → 第一次発酵(フロアタイム) → 分割 → ベンチタイム → 成形
→ 第二次発酵(最終発酵、ホイロ) → 焼成
です。
最初は分かりづらいしメンドクサイ・・・
知らない言葉がある人もいるかもしれません。
別名が多いし、単純に複雑。
発酵を利用する食品のため、仕込みから焼き上がりまでにかかる時間もなかなか。
ただ当然、各工程は必要だからあるわけで。
しょーがないよねー。
で、「ベンチタイムとは」なんですが、よくある説明が「生地を休ませる」ために必要みたいなことですね。
まぁ間違ってないけど100%合ってる感じもしないんですよね。
そもそも「生地を休める」とは、クッキーだったり、タルトだったり、「洋菓子」で使われる言葉ですよね。
「洋菓子」は基本的には発酵を必要としないので、「パン」とはちょっと違う。
なんか違和感ありますよね。
そして「ベンチタイム」という言葉は洋菓子では全く出てきません。
じゃぁ結局なんなのよ?となります。
シンプルに説明しますと。
「ベンチタイム」の目的は次工程の成形をやりやすくすることです。
そして「ベンチタイム」中に生地に起こっている現象は2つあります。
発酵と構造緩和の2つです。
発酵はイメージしやすいですね。
問題は構造緩和。
これは「小麦粉を使用した生地の性質」のことです。
もう「グルテン」の性質と言った方が分かりやすいかも。
生地にストレス(伸ばしたり、たたいたり、丸めたり)を与えると生地はその後すぐには伸びづらく、形を変えづらくなります。(加工硬化といいます、構造緩和の逆です。)
洋菓子でいう「生地を休ませる」とはこの構造緩和のことです。
では、なんでパンではベンチタイムと言うのかというと、パンの場合はここに発酵が入ってくるからですね。
パンは構造緩和+発酵によって、成形がしやすくなりますってイメージが一番分かりやすいかなぁと個人的には思っております。
そしてそのために必要な時間のことをベンチタイムと呼んでいます。
構造緩和により生地が緩んでさらに発酵により生地が膨らむので、伸びがあり弾力がある生地状態となって、スムーズな成形ができます。
そんな感じですね。
ちなみにベンチタイムは英語ですが、名前の由来はそのまま、公園の「ベンチ」のベンチです。