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中種法(Sponge Dough Method)

現代のパンの製法は多種多様で色々な製法が研究、開発されてきました。

パンのレシピや本で、様々なことが書かれていますし、どれも間違ってないのですが、とにかく分かりづらい。
分類の仕方もきちんとした明確なルールもありませんし、作る人によって製法の捉え方が違うなんてよくあることです。

その中でもよく出てくる、よく使う2大製法があります。
この二つでまぁ大体オッケーじゃね?という製法が「ストレート法」と「中種法」です。

 

「中種法とは、使用する小麦粉の一部にパン酵母と水を加えて中種を作り、中種を発酵させてから、残りの小麦粉と水、他の材料を加えて本捏ねを行う製法である。本捏ね以降はストレート法に準ずる。」

 

ということなんです。

はぁって感じになりますよねー。

 

まず「本捏ねってなに?」ですが、これは中種法では生地を2回捏ねます。

中種を作るときに1回捏ねて、中種を発酵させてからまたもう1回捏ねます。

そのため、名前で区別するために付けた名前ですね。

中種を発酵させた後に捏ねる時の方が、加える材料が多かったり、その後からフロアタイム(第一次発酵)をとるので、2回捏ねるうちのメインみたいな感じで本捏ねと呼んでいます。

 

次に中種を作る際の「小麦粉の一部」っていうのがちょっと分かりづらい。

一部というと量が少ない感じを受けますが、実際は「小麦粉の大半」です。

中種法というカテゴリーの中に「標準中種法」と呼ばれるものがありまして、これは小麦粉全量の70%で中種を作ります。(本捏ねの時に使用する小麦粉は残りの30%)

 

パンを作る際に「小麦粉5キロで作ろう」みたいに、作る量の目安になるのは粉です。

(ベーカーズパーセントでは粉を100%と表記して、その粉に対して他の材料をどれだけ使うかを表します。)

標準中種法では、そのうちの3.5キロの粉で中種を作って、残りの1.5キロの粉で本捏ねをするということです。

 

工程は

 

中種仕込み → 中種発酵 → 本捏ね → フロアタイム → 分割 → ベンチタイム → 成形 → ホイロ(最終発酵) → 焼成

 

となります。

全工程に6~7時間かかります。

 

ストレート法は4時間前後なのでだいぶ時間がかかりますよね。

これはデメリットですが、当然メリットもあります。

その中でも特に大事な2点。

 

①ふんわり、柔らかいパンが作れる。

②生地に工場での大量生産に必要な機械耐性がある。

 

これ、すごい大事じゃないですか?

特に日本では。

実際、日本で作られているパンの7~8割はこの中種法で作られているといわれています。

簡単に説明すると、①は発酵時間が長いため生地内の様々な化学反応により、よく伸びる、たくさんの気泡を内在した生地が出来上がるからです。

そして②は①でも書いたよく伸びる柔らかい生地が作れるので、機械の強い力に耐えられるため工場で大量生産できるということです。

 

ざっくりですが、基本的なところはこんな感じです。

あとは補足。

 

*中種のことを英語ではスポンジといいます。

*べーカーズパーセントとは、パン屋が使うレシピというか配合表の表記の仕方です。

粉をベースに他の材料の分量を決めて、レシピを作ります。

*菓子パンで使われている「加糖中種法」も中種法の中のひとつです。

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加糖中種法の中種(発酵後)