パンチとは
「生地を捏ね上げ後、第一次発酵中(フロアタイム中)に生地を折りたたむ作業のこと。最も大きな目的は生地のボリュームアップである。」
です。
レシピの表記では「90P30」というふうに表記されます。
これはトータルのフロアタイムが120分で、フロアタイムが90分経過したらパンチをして再びフロアタイムを30分とりましょうということになります。
パンチの方法は生地を横方向に三つ折りを一回、続いて縦方向に三つ折りを一回がもっとも一般的な方法です。
目的としては、
①生地の弾性アップを図り、焼き上がる製品のボリュームをアップさせる
②生地内で大きくなった気泡を衝撃を加えることで、気泡を細分化させる。
③生地温度を均一化させる。(大きい、大量な生地ほど外側と中心温度に差がある)
④生地内に外気を取り入れることで発酵を活性化させる。
などが挙げられます。
昔はほぼ全てのパンに行われていたそうです。
食パンや菓子パンなんかでも。
ただ、月日の経過とともに、パンの材料の進化、パン技術の向上によりパンチをしなくなっていって、現在は主に、生地をあえて弱く作る、ミキシングを抑えるフランスパンなどのハード系のパンで行われます。
ザックリまとめると
「べたつく(吸水が多い)、フロアタイムが長いハード系の生地をしっかり膨らませるために、フロアタイム中に三つ折りをすること」です。
目的はいろいろありますが一番の目的というか目的の95%はボリュームのためだという認識がよいと思います。
ちなみに語源は文字通り、「殴る、蹴る」のあのパンチだと言われています。
昔は折りたたむというより、生地を殴ってガスを抜き、また生地をまとめてフロアをとっていたそうです。

