湯種法とは
「使用する小麦粉の一部を熱湯とあわせ、デンプンをα化させたもの(湯種)を作りそれを
本ごねで使用することで、もちもちとした食感のパンを作る製法のこと」
です。
なんのこっちゃ?
デンプンの性質の話なのですが、デンプンに水と熱を加えるとアルファ化という現象が起こります。
これはすごく身近なところで誰でも経験していること。
お米を炊いたり、パンを焼くことで、お米もパンもふんわり柔らかくなりますよね。
これはお米もパン(小麦粉)も主成分がデンプンだからなんです。
で、このアルファ化という現象を利用してパンを作るとよりもっちりした食感になりますよーということですね。
これが湯種法。
でもね、別に湯種法でなくても、普通にパンを焼いてもパンはこのデンプンのアルファ化によって柔らかいふんわりしたパンが焼けますよね。
じゃあ湯種法はなにが違うのかというと、
あらかじめ小麦粉をアルファ化させて、それをパンを捏ねる時に使うという点です。
具体的な作り方ですが
①小麦粉の一部を仕込み水の一部を熱湯にしてあわせて湯種を作る
②つくった湯種を休ませる(冷蔵庫で12時間以上おくのが一般的)
③残りの小麦粉で本ごねを行う際に湯種を投入してこねる
④あとは普通のパン作りと同じ工程です
つまり湯種法以外のパンの作り方では、オーブンで焼成する際にデンプンのアルファ化
が起きますが、湯種法では仕込みの際とオーブンで焼成する際と2度アルファ化が起きているということになります。
その結果、湯種法で作ったパンはよりもっちりしっとりした食感となります。
また湯種を作ることで、湯種法のパンのレシピの吸水は高く、そのためしっとり感もモッチリ感も増しているとも言えます。
ちなみにアルファ化の反対でベータ化といものがありまして、これは逆にパンがパサパサになって硬くなる現象です。
パンの「老化」ともいいます。